ターミナルケアに向き合い、地域の在宅医療を支える薬局へ
神奈川県平塚市を中心に、在宅医療やターミナルケアに力を入れている有限会社湘南調剤薬局様。
24時間365日、患者様やご家族、医療・介護関係者と向き合いながら、地域に必要とされる薬局づくりを続けています。
今回は、開局のきっかけや在宅医療への想い、そして今後の展望についてお話を伺いました。
ホスピス・ターミナルケアの経験が開局の原点に
湘南調剤薬局様の開局の背景には、前職での在宅医療やホスピス対応の経験がありました。
施設在宅の中でも、ホスピスやターミナル期の患者様への対応は責任が大きい一方で、
患者様やご家族に深く関わることができるやりがいのある分野だったと話してくださいました。
また、ご自身のご家族を病気で亡くされた経験もあり、
「今の経験があれば、痛みのコントロールなど、もっとできたことがあったのではないか」
という想いが、独立して在宅医療に取り組む大きなきっかけになったそうです。
24時間365日、気を抜けない在宅医療
湘南調剤薬局様が特に力を入れているのが、ターミナルケアを含む在宅医療です。
ターミナル期の患者様への対応は、外来で薬をお渡しするだけでは完結しません。
状態の変化に応じて、患者様のもとへ伺い、医師や看護師、施設職員と連携しながら支えていく必要があります。
「24時間365日、いつ連絡が入るかわからない緊張感があります」と語る一方で、地域の中でこの分野に積極的に取り組む薬局がまだ多くないからこそ、自分たちが担う役割の大きさも感じているとのことでした。
地域で必要とされる一方、受けきれないほどの需要も
平塚市周辺では、在宅医療、とくにターミナルケアに対応できる薬局や薬剤師が十分とは言えない状況があるそうです。
実際に、湘南調剤薬局様では現在の体制で対応できる範囲を超える依頼もあり、
すべての処方箋を受けきれない場面もあるそうです。
地域から必要とされていることを実感する一方で、今後も継続して在宅医療を支えていくためには、体制整備や人材確保が重要な課題だと考えられています。
普通の施設在宅とは異なる、厳格さと責任
湘南調剤薬局様が対応している在宅医療は、一般的な施設在宅とは異なる難しさがあります。
ターミナル期の患者様に関わる場面では、麻薬の取り扱いや処方内容の確認など、
より厳格な対応が求められます。
患者様が落ち着いている時期には直接お話しする機会もありますが、
最期に近づくにつれて、看護師や医療スタッフとの連携が中心になることも少なくありません。
そうした一つひとつの対応に、薬局としての専門性と責任が表れています。
患者様やご家族からの感謝が、日々の支えに
在宅医療の現場では、大変なことも多くあります。
その中で大きな支えになっているのが、患者様やご家族からの感謝の言葉です。
「感謝されないものは仕事ではない」
という想いを持ちながら、日々の業務に向き合われている湘南調剤薬局様。
医療職として、患者様やご家族の安心に直接関わることができる。
その手応えこそが、在宅医療を続ける大きなやりがいになっています。
在宅医療をもっと地域に広げていきたい
今後の展望として、湘南調剤薬局様では店舗数を増やし、
在宅医療、とくにターミナルケアに対応できる体制をさらに広げていきたいと考えられています。
横浜方面では在宅医療への取り組みが広がりつつある一方で、
平塚周辺ではまだ対応できる薬局や薬剤師が少ない状況があります。
だからこそ、地域差を埋めながら、必要としている患者様に必要な医療を届けられる薬局を目指されています。
地域の最期を支える薬局として
湘南調剤薬局様のお話からは、在宅医療やターミナルケアに対する強い責任感と、
患者様一人ひとりに向き合う姿勢が伝わってきました。
24時間365日、気を抜けない現場でありながらも、
地域に必要とされる役割を引き受け続けること。
これからの地域医療において、薬局がどのように患者様の生活や最期に寄り添えるのか。
湘南調剤薬局様の取り組みは、その大切な一つの形だと感じました。