まとめ
現行の健康保険証は年末に廃止、1年後には利用できなくなることが決定しています。 しかし、マイナ保険証の利用率は低いのが現状です。 利用率向上へ、様々な政策が検討されています。 |
若年層においては、医療機関を受診する機会が少なく、マイナンバーカードを持参することが手間になるとの声があげられています。
また、子どもや難病患者の受診の際には、医療費受給者証を別に持参する必要があることから、利用率が低いと考えられます。
厚生労働省 マイナ保険証利用促進のための医療機関等への補助等の支援
策について(令和6年1月12日 厚生労働省保険局 医療介護連携政策課保険データ企画室
中園和貴 7ページより抜粋)
マイナ保険証の利用率を上げるため、政府からのリーフレット発行や医療機関による利用促進の呼びかけがあります。
しかし、推移を見るかぎり、効果が上がっているとは言い難いのが現状です。
現行の健康保険証廃止が決定していることから、今後は若年層や子どもの利用率を上げていくことが課題となります。
具体的な政策としてあげられているのが、スマートフォンにマイナ保険証を搭載することで利用率向上を図ることです。
3月5日には、マイナンバー法の改正案が閣議決定されました。
デジタル庁 資料 デジタル社会形成基本法等の一部改正法案 より引用
2月6日には、マイナポータルの医療保険資格情報をスマートフォンにPDFで保存できるサービスが始まっています。
保存したPDFの医療保険資格情報をスマートフォンで表示し、マイナ保険証とともに提示することで、マイナンバーカードのICチップ破損や、医療機関側の読み取り機に不具合があっても受診が可能です。
しかしながら、マイナンバーカードを持参する必要があることはデメリットです。
将来的にスマートフォンひとつで受診できるようになる、そんな便利な世の中になれば利用率向上につながるのではないでしょうか。
また、マイナンバーカードと医療費受給者証を一本化する方向です。
マイナンバーカードを医療費助成の受給者証として利用できるようにする取組(PMH)の令和6年度先行実施事業の自治体公募を開始しました 参考資料1(PMHの事業概要)(デジタル庁 公開日:2024年3月8日)10-11ページより抜粋
医療費受給者証を保有する方の中には「マイナ保険証を持っていても、受給者証を持っていかなければならないから・・・」などとマイナス面から、マイナ保険証利用が進まない問題のひとつとなります。
マイナンバーカードに一本化されれば、患者側には持ち歩く手間がなくなり、受給者証紛失のリスクを防ぐメリットがあります。
医療機関側も受給者証の情報確認の手間を省き、手入力の負担や資格喪失の確認漏れなどを防ぐことができます。
ほとんどの人が外出時に持ち歩くスマートフォンに、マイナ保険証が搭載されれば利便性の向上につながると考えられます。
今まで、マイナ保険証を利用をされていなかった方が「これを機に利用してみよう」と思える政策であってほしいと思います。