まとめ
令和6年8月2日、デジタル庁は国家資格等に係る各種申請手続きのオンライン化を開始すると発表しました。 8月6日より、先行して4つの国家資格について、オンライン・デジタル化が開始されます。 薬剤師資格については、令和6年11月頃以降に開始予定とされています。 |
現行制度において、国家資格等の申請手続きは、紙媒体、対面で運用されています。
例えば、薬剤師国家試験に合格後、薬剤師免許登録申請手続きを行う際には
①戸籍謄(抄)本、住民票などの必要書類を取り寄せ
②住所地の最寄りの保健所もしくは各都道府県庁へ薬剤師免許登録申請
③数カ月後に免許登録がされてから、申請窓口へ薬剤師免許証を受け取りに行く
という流れとなっています。
氏名や本籍地など、登録内容に変更が生じた時にも、関連法規(薬剤師法施行令第5条、薬剤師法施行規則第3条)で定められたように「変更が生じた30日以内」の申請が必要です。
マイナンバー法の改正等により、薬剤師も含めた84の国家資格等がオンライン・デジタル化の対象となりました。
8月6日から、先行して介護福祉士、社会福祉士、 精神保健福祉士、公認心理師の4資格について、マイナポータルを活用したオンライン申請が可能となります。
薬剤師については、令和6年11月頃以降に、医師、歯科医師、保健師、 助産師、看護師などの多くの医療系資格と同時期に開始される予定です。
デジタル庁 国家資格等オンライン・デジタル化の概要 より引用
オンライン・デジタル化によるメリットについて例をあげます。
・各種申請
⚪︎申請書類のオンライン提出が可能
⚪︎オンライン支払いが可能
⚪︎マイナンバーの活用により住民票等の写しの提出を省略が可能
⚪︎申請状況の確認が可能
⚪︎マイナポータルからのお知らせを確認可能・資格の維持
⚪︎婚姻や引っ越し等による氏名・住所等が変更された場合や死亡時に必要となる手続きの簡略が可能
※資格ごとに取扱は異なります。・資格の活用
デジタル庁 政策 国家資格等のオンライン・デジタル化 より引用
⚪︎自身の保有する資格情報をマイナポータル上で参照可能
⚪︎真正性の確保や偽証防止機能等を設けたうえで、資格情報を電子媒体の形式で出力、表示が可能
⚪︎マイナポータルAPIの活用により外部システムへ資格情報の連携が可能
※オンライン・デジタル化が開始された後も、現行の紙媒体・対面での資格申請の運用については、今のところ継続される予定です。
マイナポータルを利用することから、オンライン・デジタル手続きについては、電子証明書が有効なマイナンバーカードを持っている必要があります。
薬剤師資格のオンライン化が始まる前に、マイナンバーカードを持ち、マイナポータルがどのような仕組みなのかを知っておくのも良いと思います。
マイナポータルは、既に活用されている病院や薬局などの医療機関における健康保険証利用で身近なものとなっています。
現行の健康保険証の発行が今年12月2日に廃止されることなどから、マイナ保険証の利用促進に関連して、一度は触れたことがあるという方は多いと思われます。
政府が推進する「医療DX」により、病院や薬局などの医療現場においてはデジタル技術を活用される場面が多く見られています。
薬剤師資格申請がオンライン・デジタル化されることによって、薬剤師個人を取り巻く環境にもITの流れが入ってきそうです。