まとめ
12月12日夕、岸田文雄首相は現行の健康保険証の発行を来年秋に終了し、マイナンバー保険証を基本とする仕組みに移行することを正式に表明した。
12月22日には、政府が来年12月2日に現行の健康保険証を廃止することを正式に閣議決定しました。
健康保険証の廃止後も1年間、令和7年12月1日までは現行の健康保険証が利用可能です。
マイナンバー保険証を保有しない方には「資格証明書」を発行されます。
デジタルとアナログの併用して国民の不安を払拭しながら環境整備を行い、予定通り、来年秋には健康保険証の発行を終了します。
マイナンバーカードと健康保険証の一体化について(厚生労働省 令和5年12月14日
第173回社会保障審議会医療保険部会 資料1)
マイナンバー保険証は導入当初よりデータの紐付けトラブルなど、懸念事項がありましたが、武見敬三厚生労働大臣からの報告では来年春ころに不一致データの確認作業を完了する見通しです。
暗証番号の設定に不安がある高齢者やそのご家族、介護者などの意見を踏まえ、暗証番号を設定が不要な顔認証カードの交付など改善策が検討されています。
マイナンバーカードと健康保険証の一体化について(厚生労働省 令和5年12月14日
第173回社会保障審議会医療保険部会 資料1 3ページより抜粋)
マイナンバーカードは、医療の分野においても電子処方箋や電子カルテの普及、活用といった「医療DX」を進める上での基盤です。
病院や薬局などの医療機関にもマイナンバー保険証の利用メリットを感じられるよう、令和5年度補正予算42.1億円を組み、レセプトコンピューターや再来機などの改修を行う医療機関に対して支援が実施されます。
マイナンバーカードと健康保険証の一体化について(厚生労働省 令和5年12月14日
第173回社会保障審議会医療保険部会 資料1 7ページより抜粋)
マイナンバーカード活用等のデジタル推進については、各保険者でも様々な取組が行われています。
被用者保険においては、特定健診や診療の情報を医師と共有でき、自身の健康・医療データに基づくより適切な医療を受けられることや限度額適用認定証が不要になることなどのメリットについて、パンフレット、HP、各種通知でわかりやすく周知し、マイナンバー保険証の利用促進の取組強化を図っています。
国民健康保険、後期高齢者医療制度においては、「標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)」等に準じたICTを活用した面接やアプリを用いた効果的な保健指導を実施できる体制の構築や、日常的に測定する血圧、心拍数、服薬などの健康状態に関するデータ(PHR:Personal Health Record)の活用などデジタル技術を活用した生活習慣病の発症や重症化予防、高齢者のフレイル等の予防に係る効果的な保健指導の実施に関する評価指標を検討されています。
日本健康会議「健康づくりに取り組む5つの実行宣言2025」宣言5においても、デジタル技術を活用した生涯を通じた新しい予防・健康づくりに取り組む医療機関・薬局を20万施設以上とすると記載があるように、令和6年以降、医療現場のデジタル化は加速度的に進みそうな予感がします。