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後発医薬品の供給不安はなぜ続く?2026年10月以降の臨時措置と薬局への影響を整理

    後発医薬品(ジェネリック医薬品)の供給不安が、現在も続いています。

    厚生労働省は、後発医薬品の供給停止や出荷調整が頻発し、代替となる後発医薬品の入手が難しい状況が続いていることを踏まえ、2026年9月28日付で診療報酬上の臨時的な取扱いを通知しました。
    【参照】後発医薬品の出荷停止等を踏まえた診療報酬上の臨時的な取扱いについて 厚生労働省保険局医療課 事務連絡 令和8年9月28日

    今回の措置は、2026年10月1日から2027年3月31日まで適用されます。
    調剤では、「地域支援・医薬品供給対応体制加算」や、調剤基本料における後発医薬品減算などの判定に関係します。

    なぜ、後発医薬品の供給不安は長期化しているのでしょうか。

    後発医薬品の供給不安はなぜ続いている?

    後発医薬品は、患者負担の軽減や医療費の効率化につながることから、国が長年使用を進めてきました。

    現在では、後発医薬品がある医薬品の使用数量ベースで約8割まで普及しています。
    一方で、厚生労働省は、後発医薬品産業について品質や安定供給の面で脆弱性を抱えていると説明しています。

    供給不安が続く背景には、製造トラブルや出荷停止だけでなく、特定メーカーの供給停止によって他社製品へ需要が集中し、代替品まで出荷調整になるといった連鎖もあります。

    そのため薬局では、「同じ成分の別メーカー品へ変更しようとしても入手できない」という状況が起こることがあります。

    厚生労働省は2024年に、従来の「使用促進」を中心としたロードマップを改め、安定供給の確保を基本としながら後発医薬品を適切に使用する方針へ転換しました。

    厚生労働省 安定供給を基本とした後発医薬品の使用促進のためのロードマップ

    【参照】厚生労働省 「安定供給の確保を基本として、後発医薬品を適切に使用していくためのロードマップ」及び「バイオ後続品の使用促進のための取組方針」の策定について(令和6年9月30日)ロードマップ(概要)

    2026年10月以降も診療報酬上の臨時措置が継続

    後発医薬品の供給状況を踏まえ、厚生労働省はこれまでも診療報酬上の臨時措置を設けてきました。

    今回の事務連絡により、2026年10月1日から2027年3月31日まで臨時的な取扱いが継続されます。

    調剤で対象となるのは、

    • 地域支援・医薬品供給対応体制加算
    • 調剤基本料の後発医薬品に係る減算

    などです。

    厚生労働省が示す対象品目と同一成分・同一剤形の医薬品については、後発医薬品の使用割合を計算する際に、算出対象から除外できる取り扱いが設けられています。

    つまり、供給停止によって後発医薬品を調剤できなかったケースが、薬局の後発品使用割合にそのまま不利に働かないよう配慮した措置です。

    薬局では何が変わる?後発医薬品割合の算定に注意

    薬局側でまず確認したいのは、どの品目が除外対象になっているかです。

    厚生労働省は、2026年10月1日適用の薬価基準収載品目リストや、供給停止等に伴う除外品目一覧を公表しています。
    【参照】別添2 地域支援・医薬品供給対応体制加算等における加算等の算定対象から除外しても差し支えない品目(令和9年3月31日まで)

    対象品目は固定ではなく、供給状況に応じて見直される可能性があります。

    そのため、後発医薬品割合の計算や施設基準の確認を行う際には、古いリストを使い続けないよう注意が必要です。

    薬局では、

    • 最新の除外品目一覧を確認する
    • レセコン側の対応状況を確認する
    • 施設基準の実績計算に反映する
    • スタッフ間で供給状況を共有する

    といった対応をしておくと安心です。

    患者への説明で気をつけたいこと

    供給不安の影響を最も実感しやすいのは、患者かもしれません。

    これまで使っていた薬が用意できず、

    • メーカーが変わる
    • 先発医薬品へ変更する
    • 規格や剤形の調整が必要になる
    • 複数回に分けて受け取る

    といった場面も考えられます。

    患者から見ると、「なぜいつもの薬がないのか」「薬局を変えれば手に入るのか」と疑問に感じることもあります。

    そのため薬局では、単に「在庫がありません」と伝えるのではなく、全国的な供給状況によるものであることや、代替薬について医師と相談しながら対応することをわかりやすく説明することが大切です。

    厚生労働省は「安定供給を前提」とした使用促進へ

    厚生労働省は、後発医薬品の使用そのものをやめる方向ではありません。

    2024年に策定したロードマップでは、安定供給を確保しながら、2029年度末までにすべての都道府県で後発医薬品の数量シェア80%以上を目指す方針を示しています。 
    【参照】厚生労働省 後発医薬品(ジェネリック医薬品)及びバイオ後続品(バイオシミラー)の使用促進について

    つまり今後は、「とにかく後発医薬品へ切り替える」というよりも、

    安定して供給できる体制を整えたうえで、適切に使用していく

    という考え方がより重視されます。

    メーカー側にも、安定供給に関する情報公開や供給体制の見直しが求められています。
    厚生労働省も、企業ごとの安定供給体制に関する情報を公開しています。

    供給状況を確認しながら柔軟な対応を

    後発医薬品の供給不安は、一時的な問題ではなく、今後もしばらく薬局現場に影響する可能性があります。

    2026年10月からは診療報酬上の臨時措置が継続されましたが、これは供給問題そのものが解消したことを意味するわけではありません。

    薬局では今後も、

    • 最新の供給情報を確認する
    • 除外品目を把握する
    • 代替薬を検討する
    • 医療機関と連携する
    • 患者へ丁寧に説明する

    といった対応が続きそうです。

    後発医薬品を安心して使える環境を整えるためにも、薬局だけでなく、メーカー、医薬品卸、医療機関、行政がそれぞれの立場で安定供給に取り組むことが不可欠です。

    • 記事を書いたライター
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    medi-up編集部

    実務経験のある薬学部出身者などの医療従事者を中心に構成されており、 専門家の目線で多数の記事を執筆している。数多くの取材経験を通して得たネットワークをもとに、 薬剤師療界の役に立つ情報を発信中。

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