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【令和8年度調剤報酬改定】特管3のロはどう変わる?選定療養、バイオ後続品(BS)普及への影響とは

    まとめ

    令和8年度の調剤報酬改定は、これまでの後発医薬品(GE)中心の推進策から、さらなる医療費適正化を目指した長期収載品の「選定療養」の仕組みの強化、バイオ後続品(バイオシミラー:BS)の普及促進が大きな柱となっています。

    その中でも注目されているのが、特定薬剤管理指導加算3、いわゆる特管3のロの見直しです。

    今回の改定では、患者への情報提供がより重視される内容へと変更されました。

    今改定で、特定薬剤管理指導加算3の「ロ」は、10点(処方箋受付1回につき)と点数は据え置かれました。
    新たに算定要件にバイオ後続品に関する説明が明確に追加されました。

    以下のいずれかの場合に、バイオ後続品の品質、有効性、安全性等について説明を行った場合に算定が可能となります。

    ・バイオ医薬品が一般名処方されている処方箋を受け取った患者への説明
    ・バイオ後続品が銘柄名処方されている処方箋を受け取った患者への説明

    これは、バイオ医薬品においても後発医薬品(GE)と同様の普及を加速させること、薬剤師による専門的な情報提供を評価するものと考えられます。

    令和8年度調剤報酬改定 バイオ後続品使用促進に係る服薬指導の評価

    【参照】厚生労働省 令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】 35ページより抜粋

    今改定で、最も患者への影響が大きい変更の一つが、長期収載品の選定療養における自己負担額の見直しです。

    これまで、患者が希望して先発医薬品(長期収載品)を選択した場合、後発医薬品との価格差の4分の1相当が選定療養として患者負担となっていました。
    今改定では、これが
    2分の1相当へと引き上げられます。

    令和8年度調剤報酬改定 選定療養 2分の1に引き上げ

    【参照】厚生労働省 令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】 49ページより抜粋

    この大きな負担増について、現場でのトラブルを避け、患者の理解を得るためには丁寧な説明が欠かせません。
    自己負担額の変更(4分の1から2分の1への増額)について改めて説明を行った場合も、特定薬剤管理指導加算3の「ロ」を算定することが可能です。

    過去に選定療養の説明を受けたことがある患者であっても、負担割合が変更になる医薬品に関して、改定後最初に処方された1回に限り、改めて説明を実施することで算定できます。

    【特定薬剤管理指導加算3】
    問20 令和8年6月以降、長期収載品の選定療養に係る特別の料金について、先発医薬品と後発医薬品の薬価の差額の2分の1相当の徴収となる変更を踏まえ、過去に長期収載品の選定療養に関する説明を既に行っている患者に対し、当該変更について改めて説明を実施した場合、特定薬剤管理指導加算3(ロ)を算定することは可能か。

    (答)自己負担額が変更となる医薬品に関して、最初に処方された1回に限り算定可能。

    疑義解釈資料の送付について(その2) (令和8年4月1日保険局医療課事務連絡) より抜粋

    前回、令和6年度調剤報酬改定より導入された、特定薬剤管理指導加算3(特管3)のロと、長期収載品の選定療養に関する基本的な考え方については、以下の記事で詳しく解説しています。

    【令和6年度調剤報酬改定】特管3の「ロ」、選定療養についても算定可能

    算定要件の変更と並行して、「保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則」も改正され、薬剤師にはバイオ後続品普及に向けた強い役割が課せられました。

    説明と調剤の努力義務:保険医がバイオ医薬品を一般名で処方した場合、薬剤師は患者に対してバイオ後続品に関する説明を適切に行い、バイオ後続品を調剤するよう努めなければならないと明記されました。

    備蓄の努力義務:薬局としても、バイオ後続品の備蓄体制を整えることが努力義務となっています。

    これは、単なる「説明」にとどまらず、薬剤師が主体となって経済的な選択肢を提示し、普及を牽引することを求めています。

    第4 バイオ後続品の調剤の体制に関する事項(改正省令による改正後の保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(昭和32年厚生省令第16号)第7条の2及び第8条第3項並びに新療担基準第29条の2及び第30条第3項関係)
    1 保険薬局は、バイオ後続品の備蓄に関する体制その他のバイオ後続品の調剤に必要な体制の確保に努めなければならないものとしたこと。
    2 保険薬剤師は、保険医がバイオ医薬品の一般的名称を記載する処方箋を交付したときは、患者に対して、バイオ後続品に関する説明を適切に行わなければならないものとしたこと。この場合において、保険薬剤師は、バイオ後続品を調剤するよう努めなければならないものとしたこと。
    3 先行バイオ医薬品とバイオ後続品の効能効果が異なるバイオ医薬品の一般的名称が記載された処方箋を受け付けた保険薬局の保険薬剤師は、後発医薬品の調剤と同様に、適切な対応を行うこと。
    4 バイオ医薬品を含む注射薬について処方箋に銘柄名の記載がなされた場合は、保険薬局において処方医に事前に確認することなく含量違い又は類似する別剤形の後発医薬品に変更して調剤すること(変更調剤)はできないことに留意すること。

    保険医療機関及び保険医療養担当規則等の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和8年3月5日保医発0305第5号) より抜粋

    今回の改定では、個別の指導を評価する特管3のロに加え、薬局の体制を評価するバイオ後続品調剤体制加算(50点)が新設されました。

    令和8年度調剤報酬改定 バイオ後続品調剤体制加算

    【参照】厚生労働省 令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】 25ページより抜粋

    今改定では、バイオ後続品に関する専門知識だけでなく、選定療養による患者負担増といった費用面の説明力もこれまで以上に求められるようになります。

    特に、特定薬剤管理指導加算3(特管3)のロでは、

    ・バイオ後続品の品質・有効性・安全性
    ・長期収載品の選定療養
    ・医薬品供給不安に伴う銘柄変更

    などについて、患者へ丁寧に情報提供を行うことが重要になります。

    今改定における特管3のロの評価は、単なる制度説明や事務的な対応への報酬ではありません。

    患者の不安を軽減し、
    「なぜこの薬剤を選択するのか」
    「なぜ自己負担が変わるのか」
    を理解してもらい、安心して治療を継続できるよう支援する対人業務そのものが評価される時代に入ったと言えるでしょう。

    特管3のロ(10点)による対人業務の評価に加え、バイオ後続品調剤体制加算(50点)を組み合わせることで、バイオ後続品への積極的な取り組みが、薬局運営の安定化につながる仕組みとなっています。
    薬局にとって「加算」は貴重な収入源となります。

    今後、バイオ後続品の普及がさらに進む中で、薬剤師による適切な情報提供は、地域医療における薬局の信頼性を左右する重要な要素となります。

    選定療養やバイオ後続品に対する患者理解を得ることで、「地域から選ばれる薬局」としての価値を高めていくことが、これからの薬局・薬剤師に求められる役割となりそうです。

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    medi-up編集部
    実務経験のある薬学部出身者などの医療従事者を中心に構成されており、 専門家の目線で多数の記事を執筆している。数多くの取材経験を通して得たネットワークをもとに、 薬剤師療界の役に立つ情報を発信中。
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    1. 【令和8年度調剤報酬改定】特管3のロはどう変わる?選定療養、バイオ後続品(BS)普及への影響とは

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