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経営セーフティ共済を上手に活用する方法と、上限800万円積立後の出口戦略①

    経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)は、個人事業主や中小企業の経営者が倒産リスクに備えながら節税効果を享受できる優れた制度です。
    この制度を最大限に活用するためには、計画的な積立と適切な出口戦略が重要です。
    今回は、経営セーフティ共済の上手な活用方法と、積立上限の800万円に達した後の出口戦略についてお伝えします。

     

    経営セーフティ共済の基本概要

    経営セーフティ共済は、取引先が倒産した際に無担保・無保証で借入れを行うことができる制度です。
    これにより、予期せぬ経営危機に対応するための資金を確保することができます。
    さらに、掛金は全額が損金(法人の場合)または必要経費(個人事業主の場合)として計上できるため、節税効果が大きいのも特徴です。

     

    経営セーフティ共済の上手な活用方法

    1. 計画的な積立
      経営セーフティ共済の掛金は月々5,000円から20万円まで自由に設定でき、年間最大で240万円(前納制度を利用すると最大480万円)まで積み立てることが可能です。
      経営状況に応じて無理のない範囲で掛金を設定し、計画的に積み立てることが重要です。
    2. 長期的な視点での積立
      経営セーフティ共済は、長期的に積み立てることで大きな効果を発揮します。
      長期間にわたり掛金を積み立てることで、万が一の際に十分な資金を確保でき、経営の安定に寄与します。
    3. 前納制度の活用
      掛金を一括で前納することで、その年の経費として計上し、大きな節税効果を得ることができます。
      前納制度を上手に活用し、必要に応じて掛金を一括で支払うことで、課税所得を減少させることが可能です。

     

    積立上限の800万円に達した後の出口戦略

    経営セーフティ共済の積立上限は800万円です。
    この上限に達した後は、適切な出口戦略を考える必要があります。
    以下に、800万円積立後の出口戦略を具体的に説明します。

    積立上限の800万円に達した場合、任意解約を検討することが一つの方法です。
    解約時に受け取る返戻金は課税所得となりますので、大きな損金(経費)が計上できる年度に任意解約することは、拠出時の節税を大いに活かせる戦略となります。

    また、個人事業主の方にとっては、積立上限の800万円まで拠出して任意解約すると、800万円の課税所得になります。
    これは薬剤師の平均的な年収を上回る金額です。
    すなわち、この任意解約によって800万円の所得があると、1年間の長期休暇を取得しても十分に生活できる所得が得られます。

     

    まとめ

    経営セーフティ共済は、中小企業の経営リスクに備えるための有効な手段であり、適切に活用することで大きな節税効果を得ることができます。
    ですが、解約返戻金を受け取るときのことを考えておくと、節税効果を最大限に活かすことができる一方で、解約返戻金を受け取るタイミングによっては、節税額以上の税支出になることもあるので、しっかりシミュレーションすることが大切です。

    次回は、出口戦略の具体例を含めて活用事例を紹介していきます。

    追伸

    経営セーフティ共済は、取引先から債権が回収できなくなることを防ぐために設けられている制度で、これによって連鎖倒産を防ぐことに役立つなど、本来の企業や事業者のためのセーフティネットとして活用できます。
    記憶に新しい新型コロナウイルス感染症によって債権回収できなくなる会社もあり、この時には本当に最後の砦として事業者さんの窮地を救う制度でした。

    ですが一方で、節税策として利用されることも多く、解約後再加入という節税のための加入が多くみられたことから、2024年10月からは解約後2年間は、拠出金を損金(経費)にできないという税制改正が施行されます。

    フリーランス薬剤師さんは、毎月20万円といった高額な拠出をするケースは少ないと思いますので、少額ずつでも積み立てて、学資保険などの代わりにするのもいいかもしれませんね!

    ですが、解約返戻金の受け取り時には課税所得になるということは気をつけておく必要がありますので、ご留意くださいね。

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