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小規模企業共済の拠出金、受取額、退職所得控除のシミュレーション①

    小規模企業共済とは?

    小規模企業共済は、中小企業の経営者や個人事業主が退職金や廃業時の資金を準備するための共済制度です。
    国が運営し、安心して積み立てることができるため、フリーランスとして副業をしている個人事業主にも利用価値があります。
    今回は、この共済制度の拠出金、受取額、そして退職所得控除について具体的なシミュレーションを通じて解説します。

    拠出金の基本

    小規模企業共済では、月額1,000円から7万円の範囲で自由に拠出金を設定できます。
    拠出金は全額所得控除の対象となり、節税効果が期待できます。
    例えば、月額5万円を30年間積み立てた場合、総拠出金額は1,800万円となります。
    この金額はすべて所得控除の対象となり、税負担の軽減につながります。

    受取額の計算方法

    拠出金を積み立てた後、退職や廃業時に共済金を受け取ることができます。
    受取額は、拠出期間や拠出金額に基づいて計算されます。
    例えば、以下のようなケースをシミュレーションしてみましょう。

    • 拠出期間:30年間
    • 月額拠出金:5万円
    • 総拠出金額:1,800万円
    • 運用利回り:平均2%

    この場合、30年間の積立により得られる受取額は次のようになります。

    1. 基本受取額:総拠出金額1,800万円
    2. 運用益:平均利回り2%で計算
      • 年間利回り:1,800万円 × 2%=36万円
      • 30年間の累積利回り(複利効果を考慮):約735万円

    したがって、受取額は基本受取額と運用益を合計した約2,535万円となります。

    退職所得控除の適用

    小規模企業共済で受け取る共済金は、退職所得として扱われます。
    この場合、退職所得控除を適用することができます。
    退職所得控除の計算方法は以下の通りです。

    • 20年以内の勤続年数:1年につき40万円
    • 20年を超える勤続年数:1年につき70万円

    例えば、30年間の積立の場合、退職所得控除額は次のようになります。

    1. 20年分:20年 × 40万円=800万円
    2. 残りの10年分:10年 × 70万円=700万円

    合計退職所得控除額は、1,500万円となります。

    課税対象額の計算

    退職所得控除後の課税対象額は、次のように計算されます。

    • 受取額:2,535万円
    • 退職所得控除額:1,500万円
    • 課税対象額:2,535万円 –1,500万円=1,035万円

    退職所得は、課税対象額の1/2が課税対象となります。

    • 課税対象額の1/2:1,035万円 ÷ 2=517.5万円

    最終的に課税される退職所得は、517.5万円となります。

     

    追伸

    フリーランス薬剤師も、小規模企業共済に拠出し続けることで、自ら退職金を創ることができます。

    特に、受け取り時に退職所得控除が利用できることは、税制メリットが非常に大きく、拠出時の全額所得控除も考えると、運用益2%と試算しましたが、実質的にはこれ以上の利回りが期待できます。

    7月31日の「第3回企業説明会&マネーセミナー」にて、小規模企業共済をはじめとする、皆様のマネーリテラシーを高めていくセミナーを実施します。

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