MEDIKLECTは、薬剤師244名を対象にキャリア実態調査を実施しました。
結果から浮かぶのは「安定資格」に依存した進路選択の限界と、現場での評価ギャップ、そして“感謝”や“自己成長実感”が継続の鍵であるという事実でした。
本記事は、弊社が2025年9月25日にPR TIMES内で発表した
薬剤師への道は正しかった?200人以上の薬剤師に聞いた“就職とキャリアの本音”
を元に作成されています。
公開日:2025年9月25日
実施主体:株式会社MEDIKLECT
・“国家資格=安心”に依存した進路選択は、就業後の満足・適性ギャップの温床に。
・継続の原動力は制度や待遇よりも「患者からの感謝」と「自己成長実感」。
・キャリア教育・情報アクセス不足が後悔を招く。学生・採用側双方への改善余地が大きい。
調査サマリー(5ポイント)
1.進学理由の最多は「安定」31%。理想よりも“資格=保険”としての選択が目立つ。
2.「薬剤師は良い仕事」実感は半数超(人の役に立つ27%、誇り24%)も、評価の不釣り合い(24%)や業務ギャップ(21%)が拮抗。
3.国家試験=通過点41%。燃え尽きや喪失感も一定。
4.しんどさの三大要因:調剤過誤プレッシャー(24%)/理不尽な対応(24%)/ルーティン疲労(24%)。
5.続けられた支え:患者の「ありがとう」(26%)、自己成長(22%)、趣味・推し活(21%)。

図1

図2

図3

図4

図5
調査概要
・対象:現役薬剤師 244名
・方法:オンラインアンケート
・期間:2025年7月19日〜7月31日
・設問:進学理由/就業実感/国家試験後の心理/しんどさ/継続要因/転職回数/初期配属の意思決定/情報収集状況 ほか
・注記:自由記述は匿名加工し要旨を掲載
1. 年齢分布と関心軸:両立と選択の現実(図1)
結果:30〜43歳が中核(30–33歳:23%、34–36歳:17%、40–43歳:13%)
ライフイベントが重なる世代。「両立」と「選択」がキャリア満足を左右。
2. 進学理由:資格という“保険”の効用と限界(図2)
結果:最多は「国家資格で安定」31%、次点「医療に関わりたい」22%。
安定起点は悪くないが、志や適性の言語化が弱いと就業後ギャップに直結。
3. 就業実感:誇りと評価ギャップの併存(図3)
結果:
・ポジティブ:「人の役に立つ実感」27%/「知識活用への誇り」24%
・ネガティブ:「勉強量に対し評価されづらい」24%/「業務内容ギャップ」21%
薬剤師業務の社会的意義と報酬・評価の非対称がモチベーションを揺らす。評価設計の再考が必要。
4. 国家試験の位置づけ:ゴールではなく通過儀礼
結果:「ただの通過点」41%、「スタートラインに立てた」22%、「親を安心させた」17%
合格直後の燃え尽き、虚脱へのケアと早期オンボーディングが重要。
5. しんどさの三類型:過誤・対人・ルーティン(図4)
結果:「過誤プレッシャー 」24%/「理不尽対応 」24%/「ルーティン疲労」 24%
ヒューマンエラー対策、クレーム一次対応の標準化、職務再設計(ジョブクラフティング)が有効。
6. 続けられた支え:感謝と成長実感がカギ(図5)
結果:「患者の『ありがとう』」26%/「自己成長実感」22%/「趣味・推し活」21%
制度改定や賃金より、薬剤師の社会的存在意義の回収と余暇(趣味)の設計が離職抑止に効く。
7. 転職回数:強い資格職ゆえの軌道修正
結果:2回:27%/1回:21%/5回以上:24%
キャリアの“試行回数”が多い。評価制度や役割設計が合えば、社内異動でも離職代替が可能。
8. 初期配属の意思決定:生活都合が優位
結果:「自宅から近い」42%/「教育研修制度」32%
生活基盤優位は現実的。一方で長期の専門性形成との接続(ローテ設計・メンター制度)が要。
9. 情報アクセス:57%が「不十分」
結果:就活情報は「調べ切れず決定」57%
薬学生向けキャリア教育、職種横断の職業理解、OBOG接点の制度化が必要。
10. 現場の声(匿名・要旨抜粋)
「患者さんの一言に救われる。続ける理由はそこにある」
「現場で身につく知識が9割。国試合格はスタートに過ぎない」
「評価が学習量に見合わない時がある」
「運転免許が最強の資格。地方勤務は車が必須」
「自己分析と企業分析を。安定のイメージだけで決めない」
「在宅医療の経験を学生のうちにもっと」
「マネーリテラシー・働き方の選択肢を早くから」
「趣味や推し活が心を保つ」
まとめ
本調査では、“安定だけでは満たせない”薬剤師キャリアの実態と、“感謝と成長”が継続の核であることが明らかになりました。
「薬剤師という道は正しかったか?」に唯一の正解はありません。
しかし、多くの薬剤師が迷いながらも、患者との関わりや日々の学びの中で、自らの答えを見つけ続けています。
今後もMEDIKLECTは、薬剤師一人ひとりが自分らしいキャリアを築けるようサポートしてまいります。
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