まとめ
令和6年10月1日から、患者が後発品のある先発品(長期収載品)を希望した場合に、後発品との差額(4分の1)を徴収する、いわゆる選定療養が適用されます。 選定療養は大病院の初診や再診、差額ベッド代などが良く知られています。 |
今回の選定療養の対象となる医薬品の考え方については、
長期収載品の処方等又は調剤に係る選定療養において、対象とする医薬品については、次の(1)から(3)までを全て満たすものとする。
なお、詳細については「「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」及び「保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の実施上の留意事項について」の第3の30(2)及び(3)で示したとおりであり、併せて参照すること。(1)後発医薬品のある先発医薬品(いわゆる「準先発品」を含む。)であること(バイオ医薬品を除く)。(2)後発医薬品が収載された年数及び後発品置換え率の観点から、組成及び剤形区分が同一であって、次のいずれかに該当する品目であること。
長期収載品の処方等又は調剤に係る選定療養の対象医薬品について(厚生労働省保険局医療課 事務連絡
①後発医薬品が初めて薬価基準に収載されてから5年を経過した品目(後発品置換え率が1%未満のものは除く。)
②後発医薬品が初めて薬価基準に収載されてから5年を経過しない品目のうち、後発品置換え率が50%以上のもの
(3)長期収載品の薬価が、後発医薬品のうち最も薬価が高いものの薬価を超えていること。この薬価の比較にあたっては、組成、規格及び剤形ごとに判断するものであること。
令和6年4月19日)より抜粋
厚生労働省は、上記に該当する医薬品のリストを公表しています。
しかし、昨今の医薬品供給不安などから、新たな混乱を招く原因になるのではないかと、現場からは反対意見も数多く寄せられています。
リストの中には、去痰剤やアレルギー剤、抗菌薬などといった出荷調整のため入手困難な医薬品も含まれています。
厚生労働省では、選定療養の適用にあたり、後発品の在庫状況や、医療上の必要性などを踏まえた上で判断する必要があるとしています。
後発品の利用促進については、過去から様々な議論が重ねられてきました。
今回、適用される選定療養をはじめ、先発品の薬価を大幅に引き下げることや、ビタミン剤などの市販薬と類似医薬品についての自己負担増なども含まれています。
いずれにせよ、医療費の支出を抑えて国民の負担を減らすことが目的です。
しかし、医療費を抑えることに注力するあまり、国民、つまり患者の不利益にならないよう努めることが大事です。
医療上必要があると認められるかを検討すること、患者に対する十分な情報提供されること、適用された際に現場での混乱が生じないよう、医療機関の役割が求められるところです。