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【令和8年度調剤報酬改定】かかりつけ薬剤師業務はどう変わる?

    まとめ

    1月23日、中央社会保険医療協議会より令和8年度 診療報酬改定の短冊が発表されました。
    議論を重ねて、2月13日に調剤点数が公開されました。

    令和8年度診療報酬改定は、医療DXの推進による医療機関・薬局や、改定に対応するシステムベンダーの負担を軽減するため、前回改定と同じ6月1日に施行予定です。
    (薬価改定は例年通り4月1日施行予定)

    「かかりつけ薬剤師業務」の評価が大きく見直されました。

    厚生労働省の資料では、これまで独立して評価されていた「かかりつけ薬剤師指導料」および「かかりつけ薬剤師包括管理料」を廃止し、通常の服薬管理指導料に再編されました。

    現行制度では、

    ・かかりつけ薬剤師指導料(76点)

    ・かかりつけ薬剤師包括管理料(291点)

    が設けられています。
    しかし、令和8年度改定ではこれらを廃止、評価を「服薬管理指導料」に再編する方向が示されています。

    この理由として
    ・かかりつけ薬剤師の普及が限定的であること
    ・算定要件が複雑で、現場負担が大きいこと
    ・制度の趣旨と実際の算定状況に大きな差があること
    などが考えられます。

    現行制度で「かかりつけ薬剤師業務」を担う薬剤師にとっては、マイナスに捉えられますが、同時に示されたのが、服薬管理指導料における評価の再設計です。

    改定案では、服薬管理指導料において、

    ・かかりつけ薬剤師が指導を行った場合の評価
    ・継続的な服薬管理や残薬対策を実施した場合の評価
    ・電話等によるフォローアップの評価
    ・患者宅を訪問した場合の加算

    などが新たに設定されています。

    特に注目されるのは、継続的管理とフォローアップを重視する評価を重視している点です。

    1のイ又は2のイを算定している患者であって、区分番号14の2に掲げる外来服薬支援料1、区分番号14の3に掲げる服用薬剤調整支援料1若しくは2又は区分番号102に掲げる調剤管理料の調剤時残薬調整加算若しくは薬学的有害事象等防止加算を算定したものに対し、患者又はその家族等の求めに応じて、前回の調剤後、当該患者が再度処方箋を持参するまでの間に、かかりつけ薬剤師が電話等により、服薬状況、残薬状況等の継続的な確認及び必要な指導等を個別に実施していた場合には、再度処方箋を受け付けたときに、かかりつけ薬剤師フォローアップ加算として、3月に1回に限り50点を所定点数に加算する。

    ただし、区分番号14の4に掲げる調剤後薬剤管理指導料、区分番号15に掲げる在宅患者訪問薬剤管理指導料又は指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準に規定する居宅療養管理指導費のハ若しくは指定介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準に規定する介護予防居宅療養管理指導費のハを算定している患者については、算定しない。

    【参照】厚生労働省 中央社会保険医療協議会 総会(第647回) 議事次第(令和8年2月13日)より抜粋

    つまり、かかりつけ薬剤師として服薬管理指導料を算定している場合、
    ・外来服薬支援料1
    ・服用薬剤管理支援料1もしくは2
    ・調剤管理料の調剤時残薬調整加算もしくは薬学的有害事象等防止加算
    これらを算定したものに対して、患者本人もしくは家族等の求めに応じて、次回の処方箋受付時までにテレフォンフォローアップを実施した場合、「かかりつけ薬剤師フォローアップ加算」として3カ月に1回に限り50点の算定が可能になります。

    1のイ又は2のイを算定している患者に対し、患者又はその家族等の求めに応じて、かかりつけ薬剤師が患家に訪問して、残薬の整理、服用薬の管理方法の指導等を行い、その結果を保険医療機関に情報提供した場合には、かかりつけ薬剤師訪問加算として、6月に1回に限り230点を所定点数に加算する。

    ただし、区分番号14の2に掲げる外来服薬支援料1若しくは施設連携加算、区分番号15に掲げる在宅患者訪問薬剤管理指導料、区分番号15の5に掲げる服薬情報等提供料又は指定居宅サービス に要する費用の額の算定に関する基準に規定する居宅療養管理指導費のハ若しくは指定介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準に規定する介護予防居宅療養管理指導費のハを算定している患者については、算定しない。また、区分番号00に掲げる特別調剤基本料Aを算定する保険薬局において、調剤基本料の注6に規定する厚生労働大臣が定める保険医療機関への情報提供を行った場合は、算定しない。

    【参照】厚生労働省 中央社会保険医療協議会 総会(第647回) 議事次第(令和8年2月13日)より抜粋

    また、患者本人もしくは家族等の求めに応じて、患者宅を訪問し
    ・残薬管理
    ・服薬管理方法の指導
    ・結果を医療機関へ情報提供
    などを実施した場合には、「かかりつけ薬剤師訪問加算」として6カ月に1回に限り230点の算定が可能になります。

    このような改定内容は、かかりつけ薬剤師が患者やその家族への服薬管理に積極的に介入していくことを求めるものといえます。

    かかりつけ薬剤師に対する施設基準についても、現場を重視した内容に見直しされました。

    保険薬剤師として一定以上の経験年数、研修認定薬剤師の取得、プライバシーの確保などについては大きな変更はありませんが、常勤薬剤師としての勤務時間(週32時間→31時間)、当該保険薬局への在籍期間(1年→6カ月)に変更されるなど、より実態に即した基準に変更されています。

    今回の改定は、
    ・かかりつけ薬剤師指導料の廃止
    ・かかりつけ薬剤師包括管理料の廃止
    ・服薬管理指導料への再編
    この部分だけ見ると、かかりつけ薬剤師の業務が否定されたようにも思われます。

    しかし、フォローアップ・訪問評価の明確化されたことからも、かかりつけ薬剤師という「肩書き」を評価するのではなく、患者を継続的に支える「行動」を評価すると考えられています。

    厚生労働省の個別項目では、タイトルを「かかりつけ薬剤師の推進」としています。
    これからの薬局が、本気でかかりつけ薬剤師の機能を実践できるかが問われる改定と言えるのではないでしょうか。

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    medi-up編集部
    実務経験のある薬学部出身者などの医療従事者を中心に構成されており、 専門家の目線で多数の記事を執筆している。数多くの取材経験を通して得たネットワークをもとに、 薬剤師療界の役に立つ情報を発信中。
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