まとめ
5月30日、岸田文雄首相とApple社のティム・クックCEOが電話会談を行ない、来年の春、マイナンバーカードの機能をiPhoneに搭載することについて確認がされたと、林芳正官房長官から発表されました。 同日に、Apple社はスマートフォンのiPhoneにマイナンバーカードの身分証明書機能を2025年夏までに搭載すると発表しました。 翌5月31日に、デジタル庁も「マイナンバーカード機能のiPhoneへの搭載について」情報をリリースしています。 マイナンバーカードの機能が搭載されれば、病院や薬局などでも、スマホをかざせば本人確認できるようになるとされています。 |
Apple社の公式サイト上において、正式なコメントが出されました。
Appleは、日本のデジタル庁と協力し、来春の後半から日本に住むみなさんがAppleウォレットでマイナンバーカードを利用できるよう準備を進めています。Appleウォレットの身分証明書機能を米国外で展開するのは日本が初となります。この機能によって日本に住むみなさんは、iPhoneのAppleウォレットにマイナンバーカードをシームレスに追加し、物理的なカードと同じようにコンビニエンスストアで公的な証明書等を発行したり、「マイナポータル」iOSアプリにアクセスしてオンラインの行政サービスを受けるなど、常にiPhoneのセキュリティ、利便性とともに、安全に利用できるようになります。
Apple Newsroom「Apple、日本でのAppleウォレットの身分証明書機能の展開を発表、米国外で初」(2024年5月30日)より引用
政府は、マイナンバーカードの活用機会の拡大に取り組んでいるところであり、施策のひとつとしてスマートフォンへのマイナンバーカード機能搭載を進めてきました。
既にAndroidのスマートフォンの一部で、マイナンバーカードの機能が先行して導入されています。
(デジタル庁 スマホ用電子証明書搭載サービス 参照)
日本のスマートフォンシェア半数以上を占めるiPhoneも、マイナンバーカードの機能搭載が注視されていました。
マイナンバーカードについては、現行のプラスチックカードでも
「失くしたら・・・」
「落としたら・・・」
「パスワードを忘れたら・・・」
などといった懸念が聞かれます。
プラスチックのカードからスマートフォンに変わることで
「スマホを落としたら、自分の情報が全て盗まれてしまうのではないか・・・」
といった不安につながっていると思われます。
その点については、Apple社のコメントでも触れられています。
・Apple製品は、利用者が自分の情報を自分でコントロールでき、プライバシーを守るように設計されています。
Apple Newsroom「Apple、日本でのAppleウォレットの身分証明書機能の展開を発表、米国外で初」(2024年5月30日)より引用
・Appleウォレットの身分証明書は、モバイル身分証明書を追加して使うための安全な方法を提供すると同時に、物理的な身分証明書では実現できないセキュリティとプライバシーのメリットを利用者に提供します。
・過去の提示に関する情報は暗号化され、ユーザーのデバイス上のみに保存されます。
・自分のiPhoneをどこかに置き忘れた場合は、「探す」アプリを使って、デバイスをロックして位置を特定するのに役立てたり、デバイスをリモートで消去したりできます。
マイナンバーカードは、利便性やセキュリティ面での不信感が拭えないことから、利用率が上がらないのが現状です。
セキュリティやプライバシー面の「失くしたら」「落としたら」「パスワードを忘れたら」の不安は、スマートフォンでもカードでも変わらないでしょう。
現行の健康保険証やプラスチックのカードを「失くしたら」「落としたら」
誰かが見つけて、拾って届けてくれれば良いですが、そうとは限りません。
iPhoneのFace IDやTouch IDといった顔認証、指紋認証を利用することで、持ち主が情報を管理することが可能です。
失くした場合は「探す」アプリを使って、デバイスにロックをかけたり、データを消去したり、見つけることも可能です。
普段から使っている人の中には、「スマホひとつで出かける」人もいるくらい、ほぼ身につけているものではないでしょうか。
iPhoneに身分証明書機能が搭載されることで、利便性の向上が期待されます。