まとめ
厚生労働省は令和6年12月25日に中央社会保険医療協議会 総会を開催しました。 議題のひとつ「中間年改定の年に行う期中の診療報酬改定について」で、選定療養や医薬品供給不安に対する服薬指導について、見直しが行なわれました。 令和6年度調剤報酬改定で新設された特定薬剤管理指導加算3のロについて、現行の5点から10点に引き上げるとしました。 |
医薬品供給不安によって、医療現場では在庫の確保が難しい状況が数年単位で継続しています。
令和6年11月現在においても、合計19%の品目が限定出荷・供給停止となっています。
※参照※
厚生労働省 中央社会保険医療協議会 総会(第601回) 議事次第 総-3中間年改定の年に行う期中の診療報酬改定について(令和6年12月25日)
令和6年10月1日から施行された選定療養の仕組みについても、長期収載品(いわゆる先発医薬品)と後発医薬品の差額や、添加物などの違いについて説明が求められます。
薬局でこのような説明に手間や時間を割くことで、服薬指導により負担がかかっている状況です。
※参照※
厚生労働省 中央社会保険医療協議会 総会(第601回) 議事次第 総-3中間年改定の年に行う期中の診療報酬改定について(令和6年12月25日)
こういった薬局現場の状況を踏まえ、今回の見直しが行われました。
具体的な見直し案として
(現行)特定薬剤管理指導加算3 ロ 5点 → (見直し案)10点 (+5点)
現行と比べてプラス5点、点数が倍増されました。
主な算定要件については、現行と同様です。
●服薬管理指導料を算定するに当たって行った薬剤の管理及び指導等に加えて、処方された医薬品について、保険薬剤師が患者に重点的な服薬指導が必要と認め、必要な説明及び指導を行ったときに患者1人につき当該医薬品に関して最初に処方された1回に限り算定する。
●「ロ」については、以下の場合をいう。
• 後発医薬品が存在する先発医薬品であって、一般名処方又は銘柄名処方された医薬品について、選定療養 の対象となる先発医薬品を選択しようとする患者に対して説明を行った場合
• 医薬品の供給の状況が安定していないため、調剤時に前回調剤された銘柄の必要な数量が確保できず、前 回調剤された銘柄から別の銘柄の医薬品に変更して調剤された薬剤の交付が必要となる患者に対して説明を行った場合
令和6年度調剤報酬改定は、6月に施行されてから、10月に選定療養の仕組みが導入され、医療DX推進体制整備加算・医療情報取得加算の見直しが実施されるなど、過去に例がない回数で制度の見直しが行なわれています。
背景には、数年前の改定から言われている「対物業務から対人業務へのシフト」が推し進められた結果とも言えるのではないでしょうか。
今回「特定薬剤管理指導加算3のロ」が見直されたことにより、現場の薬剤師にも、服薬指導をより充実したものにすることが求められてくると思われます。