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【注意喚起】あなたの薬局のLINE運用、実は“違法”かもしれません

    「患者さんが便利に使ってくれるから」
    「他の薬局もやってるし」

    ──そう思って始めたLINEでの処方箋対応。
    でも、その運用方法によっては法令違反に該当する可能性があること、ご存じですか?

    この記事では、LINEを使って処方箋を受け取っている薬局が陥りがちなリスクと、
    最低限対応すべき法令遵守のポイントを徹底解説します。

    💥 なぜ問題?LINEでの処方箋対応に潜む3つの重大リスク

    1. 個人情報保護法違反のリスク

    処方箋画像には

    ・氏名
    ・生年月日
    ・病院名・診療科名
    ・投薬内容
    などの**「要配慮個人情報」**が含まれます。

    これをLINEで受け取ったまま、
    ✅ 保存していない
    ✅ 利用目的の説明もない
    ✅ プライバシーポリシーも掲示していない
    という状態では、個人情報保護法違反とみなされる可能性があります。

    とくに2022年4月の改正以降、
    「安全管理措置を講じなかったことにより個人情報が漏えいした場合、罰則強化」もされています。

    2. 薬機法上の調剤ルールに抵触する可能性

    LINEで処方箋画像が届き、そのまま薬を準備してお渡ししていませんか?
    処方箋は原本が正式なものであり、調剤を行うには

    ・原本確認
    ・正確な調剤録の作成
    ・処方医への疑義照会(必要時)
    など、厳密なルールが存在します。

    画像だけで調剤を進め、後から原本を確認していないような場合、
    薬機法違反に該当するおそれがあります。

    また、調剤録に画像の保存履歴や日付などが記載されていない場合も、
    「調剤過程の記録不備」として問題になることがあります。

    3. 厚生労働省通知に違反する可能性

    厚生労働省は、「オンライン服薬指導」や「SNS活用」に関する通知において、

    「個人情報保護及びセキュリティに万全を期すこと」
    と明記しています。

    つまり、LINEのようなSNSを利用する際は

    • セキュリティ管理

    • アカウントの運用体制

    • 保存ルール

    • 同意取得の方法
      といった体制を明文化し、実際に運用している必要があるということです。

    ⚠️ 特にリスクが高い薬局の特徴

    あなたの薬局、こんな状態ではありませんか?

    ・LINE公式アカウントを作成しただけで運用を始めている
    ・プライバシーポリシーの整備や掲示が一切ない
    ・処方箋の画像はスマホで確認して、そのまま口頭で伝えて終わり
    ・Googleドライブやスプレッドシート等への記録保存をしていない
    ・スタッフ個人LINEや個人スマホで処理している
    ・送信前に患者に運用の説明・同意を取っていない

    これらはいずれも、法令・行政指導の対象になるリスクが非常に高い状態です。

    ✅ 最低限、今すぐ整えるべき4つのポイン

    ① プライバシーポリシーの整備と公開

    → 処方箋を受け取る目的、利用範囲、保存方法などを明示しましょう。

    ② 情報保存の体制整備(例:Googleドライブ、スプレッドシート)

    → 受信した処方箋の履歴が残るようにし、調剤録と連携可能な形にします。

    ③ LINEアカウントの権限・管理設定

    → 不正アクセスや情報漏洩を防ぐため、複数人運用は制限し、退職者が入れない体制に。

    ④ 患者への運用説明と同意取得

    → 送信前に簡単な案内をLINE内で表示するなど、同意を得られる仕組みを作っておきましょう。

    💡 正しく使えば、LINEはとても便利なツールです

    LINEはセキュリティ面でエンドツーエンド暗号化(E2EE)を採用しており、通信自体は非常に安全です。

    でも、「便利さ」だけを優先し、管理体制を整備しないまま放置していると
    いざ指導やトラブルが発生した時に説明できず、大きなリスクを抱えることになります。

    🌟 他薬局の成功事例:便利+安心の運用モデル

    ある薬局では、以下のような体制を整えています:

    • 処方箋がLINEで届くと、自動的にGoogleスプレッドシートに保存

    • 同時にTwilioを用いた電話通知でスタッフが即対応

    • 処方箋画像は自動でGoogleドライブに保管され、調剤録とも連動

    • プライバシーポリシーと利用説明をLINE内メニューで明示

    こうした運用なら、利便性も高く、法令にも準拠できるのです。

    📝 まとめ:LINE処方箋運用には「ルール整備」が不可欠

    LINEでの処方箋対応は、患者にとっても薬局にとっても画期的な仕組みです。

    しかし、それは「正しい運用体制」が整っていて初めて活きるもの。

    ✅ プライバシー対応は万全ですか?
    ✅ 処方箋の保存・管理はできていますか?
    ✅ 患者さんにちゃんと説明していますか?

    ひとつでも不安があれば、今すぐ見直しをおすすめします。

    📣「うちも整備したいけど、何から手をつけたら…?」
    という方は、弊社のLINE連携システムをご覧ください。

    LINEを正しく、安全に、効果的に活用しましょう!

    FAQ

    Q1. LINEで処方箋を受け取るのは違法なんですか?

    A.必ずしも違法ではありませんが、運用方法によっては個人情報保護法や薬機法に違反する可能性があります。
    適切な保存・管理体制、プライバシーポリシーの整備などが求められます。


    Q2. LINEのセキュリティは大丈夫なの?

    A.LINEはエンドツーエンド暗号化(E2EE)を採用しており、通信の安全性は高いです。
    ただし、運用方法や情報管理がずさんな場合は、情報漏洩のリスクが生じます。
    たとえば、スマホにPINロックがない、スタッフ個人のLINEで運用しているなどは危険です。


    Q3. プライバシーポリシーって必要ですか?

    A.はい、必要です。処方箋画像は「要配慮個人情報」に該当するため、
    その取得・保存・利用目的などを患者に明示する義務があります。
    LINE内にリンクを設置するか、送信前に説明表示を行いましょう。


    Q4. 処方箋画像は保存しないといけないの?

    A.法的に「画像の保存」が義務ではありませんが、調剤録との整合性やトラブル時の証拠として保存しておくのが望ましいです。
    GoogleスプレッドシートやGoogleドライブなどと連携して自動記録する薬局も増えています。


    Q5. LINEを使った対応は薬歴や調剤録と連携できますか?

    A.システムによっては連携可能です。
    たとえば、LINEから届いた処方箋をGoogleスプレッドシートに自動転記し、そこから薬歴入力や管理台帳作成につなげる運用も可能です。
    外部連携を視野に入れた設計がおすすめです。

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